怒られた

 東京に来て今日で2週間が経った。

 ここ2週間机の上には仕事関係の書類を放置しっぱなしだったし、ソファーは洗濯物で埋もれて座れなくなっていた。

 今日やっとそれを掃除できた。

 昼からは歩いて築地に向かい、海鮮丼を食べた。

 そのあと銀座の無印良品に行って、山手線で帰ってきた。

 15時過ぎに帰ってきてからはずっと家にいた。

 家に帰ってからは本を読む気にもテレビを観る気にもなれず、2、3時間ほどスマホを延々触っていた。

 というのも、この土日は少しメンタルがやられていた。

 理由は金曜日に会社で怒られたからだ。

 怒られたと言っても怒鳴るような怒り方ではなく、半分笑いながら諭すタイプ。

 正直「怒られた」というレベルにも満たない気もする。 

 それでも俺は今もまだその時の怒られを引っ張っている。

 なんで俺は怒られたことをやたらと引きずるのか。

 みんなはできているのに自分だけができていないから怒られているような、或いはみんなも自分と同じ過ちをしているけれど自分だけがどんくさいから見つかって、怒られているような、そういった劣等感から惨めな気持ちになるのだ。

 さらに今回の件で言えば、自分が帰ったあと上司たちの間で自分の話をされるんだろうなと思えて、それが辛かった。

 「今のは言いすぎたんじゃないですか?」

 「いやいや、あれぐらい言わなきゃダメでしょ。」

とか

 「(他の社員に対して)君たちも若い時はあんな感じだったんだよ〜」

 「えー、もう忘れましたよー笑」

とか

 そんなやりとりを勝手に妄想して悲しくなっていた。

 どうも俺は年上の人たちに「人間的に未熟だ」と思われるのが嫌らしい。

 要はプライドが高いのだ。

 俺と実際に関わっている人たちは気づいているのかもしれないが、俺はかなりプライドが高い。

 恥ずかしいことをして周りから笑われると、へらへらできない。ムッとしてしまう。なんとか取り繕おうとする。

 今まで好きな人を誰にも話したことがない。

 人前で泣いたり、怒ったりしない。

 知ったかぶりをする。

 等々。俺のプライド高いエピソードは無数にある。

 そんな俺が26年生きてきてこの度ようやく気づけたこと。

 実力を伴っていないプライドは本当に邪魔だ。

 プライド全てを否定するつもりはない。

 プライドは自尊心とほぼ同義だ。

 自尊心を全く持っていない生き方が正解だとは思はない。

 ただ、プライドを持っていると今回の俺みたいに、先輩や上司から怒られたり注意された時に、なかなか素直に聞き入れることが難しい。

 なんとか相手の非を見つけて自分を守ろうとしてしまう。

 しかし、そうするといつまで経っても今の自分のままだ。

 今回の怒られは、自分が実力を伴っていないプライドを持っていることを自覚するいいきっかけになった。

 部屋を掃除して溜まったゴミと一緒に、無駄なプライドも捨て去ろう。