プロ野球の6月19日開幕が正式に決定した。
思えばここ10年以上、俺の日常にはプロ野球があった。
プロ野球がない初夏なんて小学生以来だが、思いの外違和感がない。
正直にいえば、そんなにプロ野球の開幕を待ち望んでいたわけでもなかった。
あるに越したことはないが、なくても困らないかな、という感じだ。
昔じゃ考えられないな。
学生の頃の俺はプロ野球が、カープが全てだった。
他の人がドラマやバラエティ番組を観ている間、俺はずっとプロ野球を観てきた。
だから「好きな芸能人は?」と聞かれても困るが、好きなプロ野球選手なら即答できる。
「昨日の〇〇観た?」と聞かれても困るが、前日のプロ野球の結果なら全て知っている。
特に中高時代は周りと話が合わずに苦労した。
テレビで中継がやっていなくても、俺はインターネットの一球速報をずっと見つめていた。
淡々とバッターの打撃結果が更新されるだけのページを、更新ボタンを連打しながら見ていた。
人と会っている時も頻繁にケータイでカープの試合状況をチェックしていた。
カープが勝った日はそれだけでにやけてくるし、負けた日はそれだけで少しイライラしてしまう。
もはや病気だと思う。
プロ野球開幕日が決定した今日、ふとそんな自分のことを振り返っていた。
そしてあることに気がついた。
俺は自分が”ガチのカープファン”であることになんの疑いも持っていない。
周りからどれだけ”にわかカープファン”と言われてもなんとも思わない。
つまり、自分がカープファンであることに確固たる自信を持っているのだ。
俺はカープの本拠地であるマツダスタジアムには一回しか行ったことがない。
応援歌も全ての選手の歌詞を覚えているわけではない。
一軍に上がったことがない選手だと名前すら知らない選手もいる。
だけど俺はカープを応援することに圧倒的にたくさんの時間をかけてきた。
ずっと真剣に応援してきた。
そのことを自分が一番わかっているのだ。
確固たる自信ってこうやって作られるんだな。
俺はプロ野球以外に、真剣に向き合えるものと新しく出会いたいのかもしれない。
まあプロ野球が開幕したら間違いなく観るけど。